予想通りに、現状に関するインタビューアーからの質問に答えるというかたちで、とくに、原発問題に関する質疑応答が多かった。
中曽根は、終始一貫して、原子力政策の遂行を正当化し、反省する点などみじんもない、といったコメントだった。
遺憾に思う、という言葉を一回だけ使っていたが、自分が中心となって進めてきた原発政策に誤りがあったことを認めたのかどうか判然としない、ストレートに誤りを認めた内容では決してなかった。
あの御仁、ちっとも反省なんかしておらず、これからも原発を推進すべし、と宣言していた。
自分が中心となって強引に進めてきた原子力政策が、破綻を来して、そのいい加減さ、特定の集団への利益誘導であったことが明白になった今でも、あれだけ堂々としていられるとは、普通の神経ではない。
そして、自己の正当性をあくまで主張し、非を全く認めず、権力を持って押し切るという、傲慢さ。
確か、中曽根は、官僚上がりだったと思うが、日本型秀才の典型=官僚=参謀本部の作戦参謀、であることから、まさに、思想性からして国民を下に見て、正義は常に自分であり、間違いなど犯すはずもなく、よって、反省などする必要もない、という態度を、今回のインタビューでも貫き通していた。
今回、何の意図で、このインタビューが企画されたかは明らかである。
自己正当化だろう。
中曽根は、質問に答えて、大連立するより、今は野党でいた方が自民党にとってはいい、とコメントしていた。
これを読んだとき、私は電撃が走るがごとく感じた、このコメントの真意を。
この最悪の事態を引き起こした張本人が、黙りを決め込み、責任から逃れようとしているのだと。
いつもの愚痴になるが、これほど国民を愚弄する支配者が失政を真摯に反省することもなく、大手を振って生きていられる国家は、日本ぐらいではないか。
重ねて要求する。