ひとひらの雲

NHKで、司馬遼太郎さんの、坂の上の雲、がドラマ化され、放映が開始しました。

文庫本で8分冊もあり、映像化は無理、として司馬さん自身は、存命中、ドラマ化、映画化を拒んでいたようです。

死後、その拘束から解かれた関係者によって、ドラマ化が許可されました。

本人の遺志?を尊重すべきとは思いますが、映像化できるなら、観てみたい歴史小説でした。

いま、古本を引っ張り出してきて、読み直しています(笑)。

史実に基づくものでありますが、あくまでも、小説、であることを観るものは念頭に置かなくてはなりませんが、片意地はって観ても疲れるので、映像の妙を、堪能したいと思います。

CGの驚異的な発達が、ドラマ化を強く後押ししたようですが、確かに、坂の上…を映像化するには、その背景の多様さ、そして、物理的大きさから、最新の映像技術は不可欠だと思います。

ドラマですが、これまで、4話ほど観ましたが、第1話では、あれ、っと感じました。

登場人物の演技が大仰でうるさく感じたのです。

明治の青年群像の活力を、一生懸命表現しようとしたのかもしれませんが、それが、気合いが入りすぎているように感じました。

とくに、菅野美穂さんは、この作品に対する思い入れが強いと見えて、正岡子規の妹、お律の快活さを一生懸命演じようとするあまり、画面上では、うるさく感じるほどでした。

でも、好感の持てる、過剰演技?です。

この女優さんは、とても素直な、女性らしい人(古い日本女性)なのかもしれませんね。

明治の女性である正岡律を演じる菅野美穂さんは、今までに観た作品の中で(少ないのですが、汗)、一番輝いています。

彼女自身、このドラマに、特別な思い入れというか、何か期するものがあるように感じます。

阿部寛さんは、あの人は、どんな役柄でも、変わることのない演技ですね。

以前、NHKのドラマで、エトロフ遥かなり、という日米開戦前夜を舞台にした作品で、日本海軍の将校を演じていましたが、それと、彼の演じる秋山好古とは、全く同じように、私には思えます。

子規を演じる香川照之さんは、自分なりの子規象をしっかり固めて、演じているように感じます。

香川さんは、器用で熱心な役者さんですね。

一番気になったことは、明治期の子供を描くのは、もう、現代では無理じゃないかと言うことです。

その風情が、現代の子役では、どうやっても表現できないと思います。

生活環境から生じる子供らしさがなく、現代っ子が、汚い服を着ている、としか私には思えませんでした。

それにしても、乃木という神格化された帝国陸軍の将軍をどう評価し、描くかなど、現代史を映像化することの大変さを考えさせられる作品です。

また、いつか、この話題を取り上げたいと考えています。

あ、そうそう、テーマ曲?のstand alone、あれいいですね、繰り返し聞いてます。有名な外国の歌姫(サラ・ブライトマン)を起用するなど、NHK、すごい気合いの入れようですね。