提言Ⅱ

以下は、以前、東京都教育委員会に送った、提言、です。

入力に制限があり、読みにくいのですが、そのまま載せます。


中高一貫校進学指導重点校など、一部都立高校では、入学のために通塾が必要になりました。これは経済格差による学力格差を容認し、拡大させます。また、経済的に豊かな者だけが、受験の機会を得られる、あるいは、合格の可能性が高くなる、といったような教育の機会均等に、著しく反する結果となっております。この辺の事情は、入学者の通塾状況、親の年収などから、関係部局におかれましても、十分にご承知のことと思います。この状況を改善するため、1.通塾の必要ない入試の実施、2.中高一貫校の廃止、を提案いたします。通塾の必要のない入試の実施のため、一部の学校で行われている自校作成問題による入試を廃し、すべての都立高校で共通問題による入試を実施します。この共通問題は、学習指導要綱を尊重し、一部進学指導重点校や私立高校入試に見られるような無意味に難解な問題や奇問を排除し、基礎学力をキチンと評価できるものとします。問題作成には、多大な経験と知識が必要です。そのため、入学試験に特化した入試センターを設立し、専従の教員によって、十分な時間をかけ、入試準備をします。思い起こしていただきたいことは、半世紀も前のこととなりますが、都立高校は基礎学力を問う、奇問の少ない共通問題による入試を実施し、学力、人間教育の両面で、多大な成功を収めていたことです。それは、社会的に、都立高校の評価が高く、優秀な生徒を集めることができたことに起因します。現在、学力的に優秀な生徒は私学と国立に流れますが、それらと生徒の奪い合いをすることは、教育の質を上げることには、無関係であり、受験の成功のみに執着した、短絡的な発想です。公教育には、公教育の使命があり、少数の者に特別待遇を与えることは、避けるべきです。公教育全体の教育内容を改善することが、現在、求められています。受験に対応できる子供の獲得より、基礎学力の充実と、自立的に考えることができる教育を目指すことが、公教育の使命だと考えます。中高一貫教育が、受験目的意外であるなら、入学生は、無理なく通学できる地域に限定すべきです。その理由は、中学は義務教育であり、地域性があってしかるべきだからです。大学受験目的なら、限られた公の教育資本を使って、特定な社会階層だけを利することになるので、廃止すべきです。今、公教育か求められているのは、特定な社会階層へのサービスではありません。都知事の思想によるところが大と想像しますが、公教育のあり方を、経済効率や私学と同じ発想で考えることには、大いに疑問を感じます。これらの提言を、ぜひ、ご一考されることを希望します。

前の記事でも、提言、として同じような内容のものを紹介しました。