他学部での、講義、実習が終わりました。
今年は、急を要する実験もあり、例年に比べて、忙しかったです。
教員の義務とはいえ、他大学で同じことをやれば、豊かになれるんですけどね(笑)。
大学教員は、教育と研究のバランスを考えて、その職務に当たらなくてはなりませんが、こう、業績主義、成果主義が大手を振ってまかり通ると、今後、日本中のアカデミックポストは、研究体制が充実している、旧帝大に、独占される可能性があります。
これまでも、実際は、東大を頂点とする旧帝大によって、占められてきましたが、さらに、その傾向が強まるのではないか、と思われます。
文科省も、高等教育の軸を、旧帝大に(とりわけ東大に)、力点を置いているようなので、今後、ポスト争奪戦は、さらに厳しさを増していくことでしょう。
大学院の定員を、爆発的に増員したことが、その背景にあるのは、前回、書いたとおりですが、それと共に、文科省が、経済効率を考えて、旧帝大に、あらゆることを集約しようとしていることが、影響していると考えます。
小学生から、受験が過熱していますが、文科省の方針?が実現されるなら、旧帝大に進んだ方がとく、ということで、さらに、受験競争を煽ることになりかねません。
文科省って、教育界全体への影響を、あまり考えていない気がします。
結局、教育格差、研究格差を、助長しているのは、文科省なのでないか、と思えてしまいます。
業績主義にしても、旧帝大のように、現時点で、圧倒的に優位なものと競争しなくてはならない研究者は、スタートからして、大きなハンデを背負っていることになります。
このハンデを、どう考えるかが、全く議論されていません。
議論すると、色々な解釈が出てきて、自分に不利なことが降りかかる危険性があるから、みんな黙っているのかもしれません。
私も、人のことは言えませんが…。
公平な競争社会などない、というのが実感ですね。