虫と言っても、動物に寄生する虫、寄生虫のことです。
昆虫に寄生する線虫のような(本当は線虫ではない)虫で、ハリガネムシというのがいます。
昆虫好きの人なら、カマキリやコオロギに寄生したハリガネムシを見たことがある人も多いのでないかと思います。
私も、子供の頃、捕まえたカマキリのお腹を突き破って出てきた、ミミズを細くしたようなハリガネムシを見て、恐怖におののきました。
ハリガネムシは、非常に賢くて、寄生した昆虫の精神活動に何らかの影響を与え、水辺に向かわせて、入水自殺させる、と主張する研究者がいます。
水に昆虫が落ちると、そのお腹を突き破り、水中に泳ぎ出します。
以後、水中で、自由生活(寄生しないでということ)を営み、産卵し、種の保存を行います。
ですから、種の保存のためには水が必要で、そのため、どうしても宿主を水に接近させる必要があるのです。
ハリガネムシが寄生した昆虫の神経系には、それまでにはなかった物質が発見されており、それが、昆虫の行動を操り、水に飛び込ませるようにし向ける、という研究論文もあります。
種の保存のため、あんなミミズみたいな奴らでも、そこまでやるか、と妙な感動を覚えます。
寄生虫だけではなく、ウイルスや細菌を含めた寄生生物には、寄生した宿主の生理機能を積極的に調節するということで、自分に有利な環境をつくる機能が備わっています。
宿主を上手くだますことによって、自己保存を達成してきたと言えるかも知れません。
我々人間も、考えてみれば、自分の都合のいいように、この地球の環境を弄くってきました。
地球や他の生物にとって、人間とは、とんでもない寄生虫と言えるかも知れません。
寄生虫は、多くは、その宿主を殺さないように、上手く寄生しますが、どうも人類は悪い方向にしか地球環境を改変していないようです。
地球にとって、我々人類の方が、動物学的にはずっと下等な寄生虫たちより、大変な脅威となっています。
ほんと、人類とは不思議な生命体です。地球との協調を忘れた、特異な生命体と言えるでしょう。