悲惨な結末を迎えてしまった。
アベ政権のスタンスは当初から明白で、米国と一心同体であり、戦闘に加わらないだけで(憲法改正が必要)、実際は有志連合の一員として、今回の中東訪問時も威勢のいい対テロ作戦支援策をぶち上げていた、人質がとられていると知りながらだ。
なんという無慈悲、無痛な対応だろうか。
アベは、米国の指示を守ってか、テロに屈しない(身代金は決して払わない)、しかし、人命第一、というフレーズを壊れたレコードプレーヤーのように繰り返したが、この言説は、大いなる矛盾を含んでおり、決して現実的なものではないことは、誰でも理解できるだろう。
思考しないバカ国民なら、この矛盾に満ちた、非現実的なインチキフレーズでペテンにかけて、テロ集団であるイスラム国が諸悪の根源であると刷り込めると考えたのだろう。
米国戦争屋は正義であり、それにつき従うのは当然、というアベの本心が透けて見えるどころか、堂々と、胸を張って主張しているのである。
情報統制が行き届いているニッポンでは、今回の人質事件に関する政府の対応が明らかになることはないだろう。
そして、その先にあるのは、戦争、であり、今回の人質事件は、その口火を切るには格好の口実ではなかろうか。
それにしても、ヤフーを含めて、今回の人質事件に関するネット上のコメントは、圧倒的にアベを支持するもので埋め尽くされている。
お得意の、動員、をかけて、世論操作を試みているのだろう。
いつの世も、ニッポンの支配階層の思考様式は単純明快で、お上がすべてを決めるのであって、バカな一般国民は黙ってそれに従え、である。
今回の人質事件に関しても、この思想が随所に散りばめられており、イスラム国と太いパイプを持つ民間人を交渉役として活用することなく、無視し続けた。
政権中枢にいる者たちが繰り返したあらゆる手段を講じて救出するとは、戦争を志向するアベ政権に都合のいい、という制限付きであり、最善を尽くしたとは言い難い。
今後は、極悪イスラム国キャンペーンが展開され、対テロ対策として、軍事力の活用が持ち出されることだけは容易に予想ができる。
そのために、情報統制がさらに激化することだろう。
それを無批判に容認し、受け入れるニッポン国民、どこにも救いがないと感じる。
最後に、湯川、後藤両氏の冥福を心より祈り、この記事を閉じたい。