ああ、総長、お前もか

数日前、東大の入学式が行われたが、公開された総長式辞を読むにつけて、ああ、東大は何にも反省していないのだ、という思いを強くした。
 
国民を犠牲にして、原発利権を動かしている、その中心にいる者の多くが、東大出身者であり、今回の福島第1原発事故の誘因を作ったA級戦犯が、まさに東大なのである。
 
東大は、秘密裏に国策化された核兵器製造の隠れ蓑である原発を、平和利用、と称して強力にサポートしてきた。
 
基礎物理や工学系の学者だけではない、医学、法学(法曹界)、経済学(財界)も含めて、東大のすべての分野が、この忌まわしい国策に何らかのかたちで関与していると考えるべきである。
 
マスゴミに出ては、事故は大したことない、原発は安全だ、事故で放出された放射能チェルノブイリに比べればほんの僅かだ、原子炉は絶対に壊れることはない、プルトニュウムは飲んでも大丈夫、などと非科学的な安全神話を事故後も吹聴し続けているのも、東大の御用学者たちだ。
 
これだけの重罪を犯しながら、東大は、東大総長は、今回の入学式においても、また、それ以前にも、反省の言葉を口にすることはなかった。
 
こういった自己批判精神の欠如と無責任な態度は、学生にいとも簡単に感染し、拡大そして増悪することにより、新たな犯罪者を生み出すこととなる。
 
であるから、東大はいつまで経っても犯罪者を輩出し続けるのだ。
 
東大とは、犯罪者を社会に送り出しながら、それを自己正当化し、国民にツケを回して醜く肥え太ってきた強大な利権組織である。
 
加えて、危機的状況にある日本国内に目を向けることなく、暢気に、グローバル化という流行言葉を持ち出して、国外、たぶん、アメリカを意識してだろうが、外国とのタフな競争に勝ち、外国から評価を得ることが最重要という言説で、入学式の式辞を締めくくっているのだ。
 
自分たちを勝手にリーダーと定義し、無責任極まりない社会犯罪を繰り返す暇があったら、外国ではなく、国内に、このニッポン社会に目を向けて、そこに累々と横たわる問題に取り組むべきではないのか。
 
それこそが、リーダーの役目ではないのか。
 
無痛、想像力の欠如、無責任、挙げればきりがないが、東大とは独特の価値観、倫理観、正義、を有しているとしか、普通の人間である私には思えない。
 
以下に、総長式辞の中で、私が、最も気に入らない部分を転載する。
 
いつまで経っても、東大は、そして、そこに入学する最優秀という子供たちは、文明開化の時代と少しも変わらない、西洋を過度に意識し、西洋にあこがれ、西洋人から褒めてもらうことしか頭にないようである。
 
引用、ここから。
 


 さて、もう一つ、私が新入生の皆さんに語ってきたのは、「国境なき東大生」になってほしいということでした。もちろん、専門知識と語学力を駆使して、世界を飛び回るような活躍をしている東京大学の卒業生はすでにたくさんいます。ただ、国際的な経験をすることの意味は、何より、自分がこれまで生きてきた世界とは異なった考え方や発想、異なった行動様式や価値観と触れあい、刺激を受けることで、自分を成長させていくところにあります。そうした成長を通じて、より大きな貢献が社会に、日本のみならず世界に対してできるように、という思いで、「国境なき東大生」であってほしいと、私は願っています。そして、このようにして培われる力は、さまざまな異質なものを自分の中に取り込むことによって、時代や環境の新しい変化にも対応していくことが出来る力ともなります。この点は、さきほど触れた、多様性に満ちた環境がタフさを育む、という話に通じてきます。

 今日あらゆる場面でグローバル化がすさまじいスピードで進んでいる世界では、国境という障壁がどんどん低くなってきています。こうした時代には、とりわけリーダーとしての役割を期待される人間には、たんに一つの国の枠の中だけではなくて、国際的に通用する競争能力が求められます。皆さんの能力は、ただ日本人相互の間で競争し比較されるだけではなく、他の国の優秀な人々とも比較され評価されていくことになるわけです。実際、ここにいる数少ない留学生の皆さんは、そうした厳しい環境の中で頑張ろうとしています。すでに企業の国際展開や自然科学系を始めとする研究交流などの場面で起こっていることが、少なくとも東京大学を卒業していく皆さんの周りではごく日常的なものになっていくはずです。言うまでもなく、そうした能力は競争のためだけではありません。競争と同時に国境を越えた新しい協調の仕組み、新しい国際社会の秩序や文化、そこを生きる人たちの人生のスタイルや価値観も生まれていくはずです。東京大学で学んでいく人たちには、そうした新たな国際社会を作ることへの貢献も通じて、次の時代を担う役割を果たしてもらいたいと願っています。


引用、ここまで。
 
総長式辞の全文は、以下のリンクでどうぞ。